美しい地球環境を子供たちに残そう──
「ブルー&グリーン・プロジェクト」が旗揚げ

地球環境を守り、次世代に残すことを目的とした「B&G・プロジェクト」の旗揚げ式=4月19日、東京・御茶ノ水で長谷川篤撮影
美しい地球環境を次世代に残すための研究・活動を実践する「B&G・プロジェクト」の旗揚げ式が4月19日、東京・御茶ノ水で開かれ、全国から趣旨に賛同する老若男女80人余りが出席しました。

『沈黙の春』(新潮社刊)
B&Gとは「海のブルー(B)」と「森のグリーン(G)」を象徴するもので、かつてレイチェル・カーソン著『沈黙の春』〔註1〕に感銘を受けた経済ジャーナリストで、オピニオンサイト「インテリジェンス・ニッポン」発行人の浅井隆氏が創設を提唱。「80億人を超えた人類が今のままの経済活動を続けてゆけば、21世紀後半から22世紀には、私たちの子孫は生きるか死ぬかの瀬戸際に立たされる」との危機感を露わに、破綻を回避するためのプロジェクト活動に取り組むことを目指しています。
基調講演で浅井氏は「学生時代から『宇宙船地球号を守れ』と、環境問題に関心を持ち続けて活動してきたが、この50年間で人類は地球を変えてしまった」と指摘し、気候変動や環境汚染と人体への影響、激減する生物多様性などの問題事例を紹介しました。続けて「人は地球と不可分であり、私たちの子や孫に地球環境を守るのは大人たちの責務だ」と強調し、利潤と豊かさを求める経済活動の見直しなど根本的改革の必要を訴えました。
趣旨に賛同して駆けつけた非営利政策シンクタンク「構想日本」の加藤秀樹代表も挨拶に立ち、1960年代に「宇宙船地球号」という概念のもとに繰り広げられた環境と資源保護の活動が、その後忘れられてしまった経過を振り返りました。そのうえで、悪化する地球環境や財政問題を「他人事と考えず、自分事として取り組むことが今求められている」と述べ、B&Gの高い理念に期待感を表明しました。

「宇宙船地球号を守る会」の活動に取り組んだ頃の浅井氏(左)
プロジェクト目標は「22世紀の地球人(私たちの子孫たち)に美しく持続可能な自然環境を残すこと」と「戦争のない地球(恒久平和)」を掲げて、地球環境を守る新たな経済システムなどを考えるシンクタンクの設立や、対策が遅れているプラスチックの環境・人体への影響の調査研究と情報発信に努め、同時にプラスチックスの回収と使用廃止に向けた活動も展開することにしています。
問い合わせ先は一般社団法人「世界の子供たちのために『B&G・プロジェクト』事務局」(担当・小鷲、代表電話03-5577-3155、メールアドレスはinfo@chefuko.org)。
【註釈】
註1=1962年に刊行された同書は殺虫剤や農薬など化学物質の浸透─循環─蓄積の危険性を訴える内容。タイトルの意味は、鳥のさえずりが聞かれなくなるなど、生きものが発する「音」がなくなる無の世界になることを警告している。半世紀以上経った現代でも、人類への警鐘の書として世界中で読み継がれている。